検酒筒(けんしゅとう)

kurabito2007-05-09

 お酒に活性炭などを入れ、フィルターで濾すことを濾過作業といいます。できたままのお酒はやや黄色みを帯びていて、味も濃いものです。これらを矯正するために濾過を行うのですが、酒質によってはかならずしも必要ではありません。酒の質を見極めた上で濾過をするとかしないとか、あるいは濾過をするのだったら活性炭はどのくらい使うのかといったことを判断します。
 濾過作業とは、ただ単にフィルターにお酒を通すだけだから簡単な作業と思われがちですが、これでかなりの技術が要ります。下手な人が行えば、活性炭がもれて真っ黒のお酒になってしまったり、あるいは濾過作業に極端に時間がかかるということもおこります。「濾過」だけでも学問の一つの分野になるくらいです。
 濾過機(フィルター)の通したお酒は硝子製の検酒筒(けんしゅとう:画像)を通ります。濾過の担当者はここを見ることにより、濾過がうまくいってるかどうかを判断します。濾過を開始したばかりのときは、細かな泡が多く出て見づらいのですが、慣れてくればここを見るだけで濾過の良し悪しを判断できます。
 この作業は、今月一杯続きます。