2005-06-01から1ヶ月間の記事一覧

加越の水について その7

最近では、水を簡単に分析できます。当蔵の井戸水は、やや軟水でホントにおいしい水です。日照りが続くような猛暑の年でも、15度で一定温度の水が豊富にでます。お酒を造るのに最適な水であるということは、「全国新酒鑑評会」での金賞の受賞回数や「金沢…

加越の水について その6

水は、微量な成分が少し違うだけで、酵母に与える影響は大きく変わってしまいます。また、原料米を洗った後に水に漬けておき、お米に水を十分吸わせてから米を蒸すのですが、水の違いでお米が水を吸う時間が大きく違ってきますし、また、麹を造るときの時間…

加越の水について その5

深井戸から出た水は、霊峰白山からの伏流水であると思われるのですが、水の源を探ることは莫大な費用と時間がかかるので、当蔵の水はいまだにはっきりとは解明されていません。その水を使って酒造りに精を出していましたが、移転してすぐには良い酒はできな…

加越の水について その4

蔵を移転することになった今江町9丁目は、一面に葦が茂っているような場所でした。沼ではありませんでしたが、それに近いところでした。太古の昔は湖だったそうですからそれもうなずけます。野鳥も多くすんでいて、猟師たちが鉄砲を盛んに撃っていたそうで…

加越の水について その3

さて、酒蔵を合併することとなり、街中の蔵では手狭でもあることから、他の場所に蔵を移すことになりました。とはいえ、最大の問題は良い水が得られるかどうかということでした。小松市の山から海辺までいろいろなところを探してみたそうです。そして、探し…

加越の水について その2

先々代の社長の園原忠平氏は、昭和38年ころまで小松市の中心部である本折町というところで酒を造っていました。そこの蔵の中に井戸はあったのですが、いつの頃からか水道水を使うようになっていました。小松市の水道水は、石川県最大の清流手取川の伏流水…

加越の水について その1

お酒の成分の80%以上が水です。お酒を造るのに大切なものは原料となるお米ですが、仕込み水として使う水はそれ以上に大切なものといえます。今日から何回かに分けて、加越の水と歴史について書いてみたいと思います。 仕込水としてだけではなく、お米を洗う…

竹の酒

小松市東部の東山から竹が届きました。「竹の酒」についてもう少し研究したいことがあったので、H君に持ってきてもらったのです。竹の産地だけあってりっぱな孟宗竹です。節ごとに切りそろえ、お酒を入れる穴を開けて、表面はたわしで、内側は高圧洗浄機で…

豊葦原瑞穂の國

今日は日曜日。冬季でしたら、モロミや酒母の管理のためお仕事をする蔵人も多いですが、この季節の蔵は完全休業です。 さて、見出しは「とよあしはらみずほのくに」と読みます。米と水を意味します。日本酒造組合の宣言文にも書かれているのですが、日本は米…

草刈り

蔵洗いも終わり、酒を仕込みにかかる秋までは酒粕をつめることと、冬の間使い続けた醸造機械の整備などが主な仕事です。でも、その前に・・・。入梅間じかこのとき、蔵洗いで蔵の中はきれいになりましたが、蔵の周りの空き地は草ぼうぼうです。蔵人コーちゃ…

蔵洗い

酒造りが終わり、ろ過・火入れという作業が終わると、最後に蔵洗いをします。去年の秋から酒を造ってきたためにしっかりとは洗えなかった蔵の中を丁寧に洗い流します。あと2〜3日で蔵洗いもおわり、今年の酒造りは幕を閉じます。きれいになった蔵の中で日…

大吟醸の酒粕

大吟醸の酒粕をつめました。普通の酒粕と違い、どろどろしゃばしゃばという感じです。なめてみると、あま〜い、うま〜い。山田錦というお米を38%まで精米して造ったお酒の酒粕ですから、酒粕の品評会があれば金賞をもらえるような酒粕です。皆さんにも一度…

円満市に行ってきました

今朝は小雨模様でしたが、本光寺円満朝市(小松市本折町)にお客様はまずまずいらしてくれました。加越の蔵人たちは「酒造り唄」を披露させていただき、皆様からは暖かい拍手と喝采をいただきました。北国新聞の記者のかたも取材にこられましたから、この様…

蔵人N君は清酒学校を卒業しました

石川県清酒学校は、石川県内の酒蔵の技術者を養成するためにと平成12年に発足した学校です。学校といっても校舎があるわけではなく、工業試験場や県内のいろんな蔵で学習したり実習したりします。酒造りという仕事に携わりながら3年間勉強して卒業試験に合格…

酒粕をつめました

今日から6月。酒蔵・加越では酒粕の出荷が始まります。今年は暖かい日が多かったせいか酒粕は比較的早く熟成したみたいです。画像は最初のタンクから掘り出した酒粕ですが、甘みものりまずまずの味わいになっています。野菜がよくつかりそうな感じでいい具…