加越の水について その3

kurabito2005-06-20

 さて、酒蔵を合併することとなり、街中の蔵では手狭でもあることから、他の場所に蔵を移すことになりました。とはいえ、最大の問題は良い水が得られるかどうかということでした。小松市の山から海辺までいろいろなところを探してみたそうです。そして、探し当てたのが現在の今江町というところでした。小松でお茶をする人は、ここで湧き出る水を初釜の茶会に使うといわれていましたから、先々代はそこに目をつけたのです。今では、分析技術の発達により、酒造に適した水かどうかということを簡単に調べられますが、当時(昭和40年頃)は分析ひとつも簡単に出来ることではありませんでしたし、今ほど正確ではなかったそうです。彼は広島で醸造学を学んだ技術者でしたから、酒造りに向く水を感覚的に見極めることが出来たのでしょう。土地を購入して、井戸を掘ってみて水の良し悪しを判断しなければなりません。(つづく)
(中央部。山のふもとにちらりと木場潟がみえます。加賀三湖のひとつで、大昔はここらは潟だったそうです。)