へら櫂

kurabito2006-03-15

 酛立て*1の翌日、つまり2日目の酒母には「玉櫂」ではなくて「へら櫂」を入れます。このときの酛は米粒が溶けておらずそのまま残ってるような感じなので、「玉櫂」では米粒をつぶしてしまいそうになるのです。「へら櫂」は、カヌーで使うオールのような形をしています。雪国の方にしかわからないかもしれませんが、雪をすくうバンバ*2のような形です。
 「櫂でつぶすな、酵素で溶かせ」という酒造りの格言をそのまま忠実にまもっているのです。「玉櫂」は棒の先に板のようなものが垂直についていて、モロミなどを攪拌するのには適していますが、2日目ぐらいの酛だと米粒をつぶしてしまいます。「玉櫂」だと米粒と液体とをうまく混ぜ合わせることができるのですよ。
 酛担当の橋ちゃんが、今日も「へら櫂」で2日目の酛を櫂入れしていました。ちょっとハードな仕事です。

*1:酛担当 代役 - かえっちゃんの酒蔵日記

*2:これがわかる人は少ないでしょうね