四段

kurabito2006-04-06

 酛場は、四段用のものを残してすべて終わっています。
 四段というのは、三段仕込*1のあとに仕込むものをそう呼び、お酒の味の調整に使われます。「甘酒うるち四段」「もち四段」「酒母四段」などがあり、上槽間際に添加するのが普通です。
 「甘酒うるち四段」とはお湯(約60度〜70度)を張ったタンクに蒸米を入れ、麹を添加して60度くらいで約20時間おくと出来上がります。米の旨味と甘みがあり、アルコールはありません。麹のかわりに糖化酵素を使う場合もあり、味わいがすっきりします。これを上槽間際のモロミに混ぜ、味わいを整えて上槽します。お酒に甘みがほしい場合に使用します。
 「もち四段」とは、上槽間際のモロミの一部を小さなタンクに汲み出し、その中に熱いモチの蒸米を入れて一晩保温(30度くらい)しておきます。翌朝には、モロミの中の酵素により、もち米が溶かされ、甘くて旨い「モチ四段」ができています。これって、とても旨いんですよ。アルコールは少しありますが、甘くて、ちょっと味わえない味です。さっきの「甘酒うるち四段」はすっきりとした甘さですが、「モチ四段」は、しつこいような、どろどろとした甘みですね。おそらくこれは、酒蔵見学をされた方でも味わったことはないのじゃないですかね(ちなみに、酒蔵加越の上撰関白には少しだけ入ってます)。また、蔵によってはモロミのタンクにそのまま熱いモチ米を直接投入するなんてこともあります。
 「酒母四段」は酛を四段として使うことです。酛は元来味が多いので、その味をモロミに加えるのです。
 画像は、酛場です。造りの最中には十数本の酛が常にありましたが、四段用の酛が3本が残るだけとなりました。酛のあったタンクはきれいに洗浄・殺菌され、横に寝かせて並べられています。橋ちゃんがそこで細かなあと片づけをしています。