生酛(きもと)2

kurabito2012-02-25

 昨日の続きです。
 今朝は5時から山卸を始めました。半切の中のは、奥田君が昨日から何度も手でかき回した蒸米、麹、水が入っています。蒸米は水を吸い込んでふっくら膨れ上がっています。まずは。この状態に上から押しつぶすように櫂を入れます。
動画をどうぞ→ http://youtu.be/oXOG5gdRPzU


 さて、次は、酛すり。奥田君と中野君のコンビが力を合わせて酛をすりました。このような酛すりを3回ずつおこないます。結構ハードな仕事なんですよ。息が上がってきました。最初より、トロリトロリとしてきたようでしょう。
動画をどうぞ→  http://youtu.be/7BVumqaTByA



 3度目のとき、酒造り唄(酛すり唄)を歌いながらやってみました・・・。この酛すり、かなりハードな仕事なので息が切れてしまい、なかなかうまく歌えないんですよ。それから、櫂棒と唄のリズムをとるのもむづかしい。昔の蔵人さんたちはこれぐらいの仕事ではなんとも思わず、息をきらすこともなく、なんなくやってのけたのでしょうね。あらためてすごいなぁと思います。たしか、この酒造り唄を歌えない蔵人は給金が半分だったとか。リズムに合わせて酛すりを行いながら歌うのは、体力と年季がいる仕事なんですよ。動画をごらんになればわかりますが、結構つらくて大変な仕事なんです。
 酒造り唄は、1番から5番まで歌うと約3分。1セットの酛すりに丁度良い時間です。時計のない時代はこの歌が時計代わりをしていたのです。
 動画をどうぞ→ http://youtu.be/281KMq7cMbs
 午前5時台の酛すりは、3分づつを3回行いました。次はその数時間後に行います。



 さて、今は午前11時半。2回目の酛すりの時間です。今回も唄を歌いながらですが、午前に行った1回目とは違い、柔らかくなってきているため、酛すりも楽になりました。作業と唄のテンポもよくなりました。
 動画をどうぞ→ http://youtu.be/aGpelZIpHmw

このような3回セットの酛すりを3回(合計9回)行う予定でしたが、2回目の酛すりでかなり米粒が融けてきて、それに甘みが増してきたため、この2回で終えることにしました。夕方にはこの二つの半切をひとつのタンクにまとめて入れます。このとき、山廃酛の酵母添加前ぐらいの状態になっています。

 あ、それから、酒造り唄ですが、以下のように歌っているんですよ。

1、 あ〜 とろりとろりと や〜 出た声なれど
(あ〜 声をとられた や〜 川風に)
2、 あ〜 この家お蔵は や〜 目出度い館
(あ〜 黄金切り窓 や〜 銭すだれ)
3、 あ〜 今年は目出度い や〜 つばめの や〜 鳥が
(あ〜 サスの家中に や〜 巣をかける)
4、 あ〜 目出度目出度が や〜 三つ重なれば
(あ〜 鶴が御門に や〜 巣をかける)
5、 あ〜 誰もどなたも や〜 ここらでちょいと
(あ〜 ちょいとつけましょ や〜 長煙草)